Japan Lung Cancer Alliance
日本肺がん患者連絡会
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「禁煙を応援」……って何!?【3】

“結心”ワークショップ @Zoomは、意外な事実でいっぱいだった!(3)

 

 

こんにちは、木口マリ(子宮頸がん経験者、肺がん経験者の家族)です。

 

第2回の『 “結心”ワークショップ @Zoomは、意外な事実でいっぱいだった!』では、「最新タバコの知識」のリアルレポートをお届けしました。読んでくださった方は、その内容に「えええ!」と驚いたことでしょう。まだの方は、ぜひ第1回第2回をご一読ください。

 

▼第1回の記事はこちら:

http://www.jlca-renrakukai.com/impressions/148/</a?

▼第2回の記事はこちら:

http://www.jlca-renrakukai.com/impressions/192/

 

“ポジティブ”な“逸脱”って何!?

 

今回は、ワークショップ最後のプログラム。

「ポジティブデビアンス(Positive Deviance)」のお話です。

 

ポジティブデビアンス(略して「ポジデビ」)って、聞きなれない言葉ですよね?

ポジティブは、「前向き」や「建設的」、デビアンスとは、「逸脱」という意味です。

 

「特別なスキルがないのに、逸脱した(=普通とは違う)方法で偶然に成果をあげている人の行動に着目し、それをシェアしていく」という、課題解決の手法なのだそう。それにより、「これまでなかなか道の見えなかった問題を解決していこう」ということです。

 

ファシリテーター 齋藤さんがお話ししてくれた例がこちら↓↓↓

 

1990年代のベトナムでは、3歳未満の子供のうち、64%が栄養不良でした。

……あれ、ちょっと待てよ!?

ということは、残り36%は栄養優良児!?!?

 

これはナゼだということで、この36%の調査をしたそうです。

すると、一般的に食べ物と思われていなかったもの(イモの葉や小エビなど)を、この子供たちは食べていたことがわかった!

ポジティブデビアンス(略して「ポジデビ」)

 

「ええっ! イモの葉、捨ててた!」と、驚いたベトナムのお母さんも、きっと多かったことでしょう。

この方法を普及していけば、ベトナム各地の栄養不良の子供を救えるかもしれません。(※例では他にも理由が提示されました)

 

これが、ポジデビです。

 

そして……、

同様にポジデビのアプローチで、ご家族の禁煙を成功に導いた人がいる!!

その一人が、今回お話をしてくれた「すーさん」です。

 

結心のポジデビ「すーさん」の心温まるお話

結心のポジデビ「すーさん」の心温まるお話

すーさんのご主人は、喫煙歴40年。

受動喫煙の害を知っていたすーさんは、「私は、がんになりたくない」とご主人に訴えていました。

 

ところが、すーさんは肺がんになってしまったのです。それでもご主人は、タバコをやめませんでした。

すーさんが、「何でやめないの!? ムカツク!」と声を荒立てると、ご主人は黙り込んでしまいました。話ができず、何も進まない状態になってしまいました。

 

そんなときに出会ったのが、お父さんの禁煙を成功させた「ゆうさん」の言葉。タバコをやめられないお父さんを、「かわいそう」と言ったそうです。

 

喫煙者を憎んでいたすーさんは、「全く理解できない」と思いました。それでも、「禁煙を応援する」という、これまでとは別の角度からのアプローチで考えてみることにしたそう。

 

そして思ったのは、「もしかしたら、夫は、依存から抜け出せないのかも」ということ。ご主人にも、「依存だから仕方がないよね」と言ってあげたそうです。

 

すると……!

「何度もやめたいと思ったけれど、3カ月しかもたなかった」と、ご主人。実は、禁煙外来にも行こうと考えていたのでした。

 

「私にギャーギャー言われて面白くないし、やめようとしていたことも言いづらくなっていた」と、気づいたすーさん。一緒に禁煙外来に通うようになり、なんと禁煙に成功!

 

すーさんはこれまでを振り返り、「歩み寄ることにより、心を開いてくれた。対立していた時間がもったいなかった」と語りました。

 

寄り添いつつも、ムリをせず!

 

「対立していた時間がもったいなかった」

う〜ん、素敵な気づきです。

 

続いての「感想シェア」では、

「歩み寄りで全てが変わる。本当に大切なこと」

「視点を変えるのは大事。それができたすーさんはスゴい」

「愛だなあ」……と、話す参加者もいました。

 

しかし中には、「夫が喫煙者で、一度禁煙に成功したものの、最近また吸い始めてしまっている」という方も。優しく接することができず、責めてばかりになってしまうそうです。

 

すーさんは、「できないことを認めてあげて、寄り添うことが大切。自分が変われば相手も変わると信じる」と言います。考えが自分本位のときは、相手を動かすことができないと考えているそう。

 

「でも、私は自分を押し殺して、ムリをしているわけではない」とのこと。

禁煙は、一日や二日でできるものではありません。相手を思いやりつつ、自分自身の気持ちも大切にしながら一緒に歩んでいくことが大事なのだろうと感じました。

 

「なんでやめてくれないの!? 」(キー!)

「そう簡単にやめられないんだよ」(イライラ)

 

禁煙の問題は、ついついこのようになってしまいがちです。でも、目指すゴールが一緒なら、きっと道は開けるはず。「認めて、寄り添う」は、タバコに限らず、いろいろな人間関係で活用できそうですね!

 

「不可能を崩す3つの要素」を改めて考えてみました!

 

なかなか濃厚な2時間のワークショップは、これで終了。

禁煙の話題というだけでなく、「結局は、人と人なのだなあ」と思わせてくれる時間でした。

 

そして、ここに戻ります。

第1回で登場した、「不可能を崩す3つの要素」!

  • 「知識」 きちんとした知識がすべての土台
  • 「構造を理解する」 感情に隠れて見えなくなっている構造を理解する
  • 「仲間」 一人だとできない。でも仲間がいれば壁を乗り越えられるのではないか

この3つを改めて考え、私がつかんだ意味はこんな感じ。

 

「正しい知識を持ったうえで、『今、何が問題で、何が重要なのか。自分の主張だけでなく、相手の気持ちをちゃんと知ろうとしているのか』を、感情を抜きにして一つひとつ読み解いていく。そして一人だとできなかったことも、仲間の成功例を聞いたり、『ここがうまくいかなくて……』などを語り合ったりするなかで、一緒に前に進んでいける。そうすれば、不可能はだんだん可能になっていく!」

 

みんな思うことも、悩みも違います。だから、つかむものは、それぞれでいいと思うんです。

一つでも心に残るものがあったり、「参加して、楽しかったな〜」というだけでもいいと思います。

 

現在、結心のワークショップは、オンラインで全国どこからでも参加できます。

みなさんも一度、体験してみてはいかがでしょうか!

 

取材・文:木口マリ

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